離婚調停とは

いわゆる「離婚調停」の説明

 夫婦が離婚する場合に、どうしても当事者間で折り合えないことがあります。また、身内同士で話し合いをしようとしても、感情的な対立で先に進まないということも、よくあります。

 このような場合のために、家庭裁判所で夫婦の離婚について話し合いをすることができます。これが、いわゆる「離婚調停」というものです。

 なお、この手続は、正式には、「夫婦関係調整調停」といわれるものです。「離婚調停」と呼ばれることは多いものの、調停の結果、「離婚しない」という結論に至ることもあります

 ただし、以下では、説明の便宜や一般的な用語の使用状況から、「離婚調停」と統一して記載します。

調停手続が望まれる場合

 典型的に離婚調停となるケースの一例は、以下のとおりです。

  1. 夫婦の一方が離婚に合意しない
  2. 離婚の合意はあるものの、親権争いがある
  3. 離婚の合意はあるものの、養育費の金額で争いがある
  4. 離婚の合意はあるものの、財産分与で折り合えない

いわゆる「離婚訴訟」との関係

 日本の法制度では、離婚調停を行っても離婚に合意できなかった場合に、初めて離婚訴訟を提起することが可能とされています

 この原則は、「調停前置主義」といわれるものです。

 離婚は家庭内のトラブルであるため、まずは調停で話し合いの機会をもつべきである、などといった考慮により、このような原則が定められています。

離婚調停の進み方など

離婚調停を提起する方法(管轄について)

 離婚調停が行われる家庭裁判所(管轄のある裁判所)は、相手方の居住地の管轄裁判所が原則とされます。相手方が山梨県甲府市に居住している場合には、「甲府家庭裁判所」が管轄裁判所になる、といった具合です。

 このため、相手方と別居していて、遠方に住んでいるという場合には、遠方の家庭裁判所まで出向かなければならないというケースもありえます。現在は、電話会議による調停という方法も存在します。とはいえ、子どもの人生などにも関わることが多い離婚調停の場合、出頭を求められることも、しばしばあるものです。また、離婚成立の際には、どうしても裁判所への出頭が必要になります。

離婚調停を提起する方法(具体的な手続)

 管轄の裁判所に対して、調停の申立書を提出することで、調停を申し立てます。

 申立書には、夫婦であることを示すために、戸籍謄本を添付する必要があります。暴力や不貞の事実などがある場合には、証拠として資料を提出することもできます。

 手続費用は、弁護士費用を考えなければ、数千円で足ります。上記の戸籍謄本を取得する費用や、裁判所に納める収入印紙や郵便切手代が、費用の主たるものです。

離婚調停の進行

 調停の申立書に不備がなければ、申立から約1か月後の平日日中のどこかで、第1回調停期日が設定されます。この日程を記載した書面や調停申立書が同封された裁判所の封筒が、調停の相手方に届けられることになります。

 その後は、原則として、月に1回程度のペースで、調停は進行することになります。

離婚調停期日の展開

離婚調停では相手方とは直面しない

 調停期日では、当事者は別々の待合室で待つことになります。そして、一方ずつ「調停室」に呼ばれ、調停委員2名がいる部屋で話をすることになります。

 このため、調停期日に相手方と直面することはありません。なお、調停手続の概要説明を行う際に、夫婦同席を求められることもありますが、これは拒否することができます。

調停委員会の介在

 離婚調停の場合、必ず男女1名ずつの調停委員が選任されます。このように、調停委員の構成で、性差が生じないように配慮されています。

 調停委員の他、1名の裁判官が事件ごとに割り当てられています。調停委員と担当裁判官を合わせて、「調停委員会」といいます。

 離婚調停は、夫婦の間に調停委員会が介在して運営されることになります。このため、相手方と直接話をするという負担を回避できます。どうしても感情的になりがちな離婚に関する話し合いにおいては、望ましい措置といえます。

話をして、書面も出す

 離婚調停では、夫婦関係や離婚に関する話を、調停委員に対して行うことになります。当事者双方の話を調停委員が聞き、合意の可能性を探っていくことになります。

 暴力が不貞などが絡む場合で、一方がそのような事実関係を否定している場合には、書面で証拠資料を提出するなどといったことも予定されます。

 また、婚姻費用や養育費が問題になる場合には、所得を把握するために、源泉徴収票などの客観的な資料の提出を求められることもあります。

調停の所要時間

 1回の調停は、2時間が原則とされています。調停室での一方当事者の1回の話が約30分で予定されているため、双方2回ずつ調停室で話をする、といった運営が原則ということになります。

 ただし、午後1時ころからの調停であれば、裁判所が閉まる午後5時ころまで手続が続くということも、しばしばあります

 調停期日は、おおむね月に1回のペースで予定されます。調停成立までの期間の目安は、事件により変わります。これを一般化することは難しいですが、争点含みの調停となれば、短く見積もっても半年程度の時間はかかるものと考えるべきです

調停の終了

調停成立の場合

 離婚調停で合意点が見いだされれば、調停を成立させることになります。離婚調停の成立となると、「離婚成立のうえ、養育費や財産分与などの細かい条項を定める」ということが多いと思われます。

 調停が成立すれば、合意内容を記載した「調停調書」を、裁判所が作成してくれます。養育費の取り決めを行った場合などは、調書のとおりに支払いがなければ、調停調書による強制執行も可能になります

 このように、調停調書は、非常に強力な合意書ということになります。

一部調停成立の場合

 親権者が決まれば、離婚は成立します。協議離婚でも同様です。

 他方で、親権者と離婚の合意はできるが、養育費や財産分与の内容ではどうしても折り合えないというケースもあります。そのような場合には、合意できる部分だけ調停を成立させてしまうという方法もあります。

 この場合には、養育費や財産分与などの残る問題については、別途調停などにより合意を目指す、という方法もあります。財産分与などで審判(裁判のようなものです)を求めるという場合には、合意できる内容から順に片づけていくという対応もありうるところです

 なお、財産分与の時効は、離婚成立から2年であるため、注意が必要です。

不成立の場合

 離婚することに夫婦間でどうしても争いがあり、合意できないという場合もあります。この場合には、調停は不成立となります。

 それでも離婚を求める場合には、別途離婚訴訟を家庭裁判所に提起することになります。

 離婚訴訟で離婚が認められるためには、「離婚原因」が必要となります。離婚訴訟では、この立証が必要となるため、調停とは違った振る舞いが求められることになります。

離婚訴訟の進み方について(第一審)

補足

 以下のページも、よろしければご覧ください。

離婚

離婚調停について

離婚訴訟について

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