被害者請求で後遺障害認定申請を行う場合の資料収集の方法

後遺障害の認定に必要な資料

必要書類の一覧

 後遺障害認定に必要な主な資料は、以下のとおりです。

  1. 後遺障害認定申請書兼支払指図書
  2. 印鑑証明書
  3. 交通事故証明書
  4. 事故発生状況説明書
  5. 診断書及び診療報酬明細書
  6. 画像記録(レントゲン、MRIなど)
  7. 後遺障害診断書
  8. 事故前年の所得を証明する資料(源泉徴収票など)

主な資料だけ記載した理由

 実際には、交通費の証明書などを求められることもあります。ただし、それらの金額は、通常はあまり高くないものです。また、後遺障害認定申請手続が終わった後で、加害者の任意保険に申請することも可能です。他方、厳密な資料を作成しようとすると、結構手間がかかるものです。

 そのような手間で申請が遅れるよりは、まずは申請に必要な資料を送付して、結論を得るほうが、手続としては楽です。このため、主な資料だけを記載しました。

資料収集の方法

資料ごとの説明

 後遺障害認定申請に必要な資料の収集方法について、それぞれ説明します。なお、自賠責保険会社によって、「後遺障害認定申請書兼支払指図書」の書式が微妙に違うなどの事情があります。このため、保険会社から書式をもらっておくとスムーズでしょう。郵送でも対応してもらえると思います。

後遺障害認定申請書兼支払指図書

 提出書面の表紙のようなものです。事故の情報を事故証明書からわかる範囲で書いておきましょう(わからないところは空欄でも大丈夫です)。保険金の支払を希望する口座を指定しておきましょう。

印鑑証明書

 自賠責保険への請求は基本的に原本主義です。そして、押印は実印が求められます。この実印の証明が必要ですので、印鑑証明書を1通取得しておきましょう。住民票のある自治体で発行してくれます。

 印鑑登録をしていない場合には、後遺障害認定申請を機に、登録を先にしておきましょう。自治体により微妙に費用が異なりますが、1通数百円です。

交通事故証明書

 交通事故の発生や状況、当時者名などを証明してくれる書面です。警察署や交通安全センターで発行を受けられます。郵送で申請する方法もあります。

 1通540円です。

事故発生状況説明書

 交通事故の発生状況を説明するものです。被害者自身の作成が求められます。概略図でよいので、作成しましょう。

診断書及び診療報酬明細書

 通院した病院が作成する資料です。一括対応であれば、加害者任意保険がすべての資料を持っています。加害者任意保険の担当者に「診断書と診療報酬明細書の写しをください」といえば対応してもらえます。なお、写しには原本証明をもらっておくとよいでしょう。

画像記録

 レントゲンやMRIなど、病院で撮影した画像がある場合には、すべて提出する必要があります。事故直後に1回しか行っていない病院でも、レントゲンを撮影したような場合には、この資料を提出する必要があります。

 病院の医療事務担当の方に「画像記録をください」と電話などで伝えておけば、対応してくれるものと思われます。郵送や作成費用の都合上、CDにしてもらえるとベストです。フィルムの形式だと、手数料が高額になりがちな上に、サイズが大きいために郵送の際に大変です。

 なお、CD1枚につき、1,000円程度の費用がかかります。

後遺障害診断書

 後遺障害の申請をする場合には、この診断書を医師に作成してもらう必要があります。作成をお願いする病院に連絡して、診断書作成のお願いをしておきましょう。医師と面談の上、書面を作成してもらうことになります。

 この書面が完成するまでには、通常ある程度の時間がかかります。短くても2週間程度は考えておいたほうがよいでしょう。

 また、病院によって異なりますが、5,000~10,000円程度の書面作成費用が必要になります。

事故前年の所得を証明する資料

 後遺障害が認定された場合には、逸失利益が算定されます。これは、事故前年の所得を参照して、後遺障害が無ければ将来得られたであろう所得を算定して支払うものです。

 この根拠資料として、事故前年の源泉徴収票などを提出することになります。

資料収集の手順

まずは後遺障害診断書から

 被害者請求で必要な書面で、作成に最も時間がかかることが予想されるのが、後遺障害診断書です。医師は忙しいことが多く、平常業務ではない後遺障害診断書につき、すぐに書面作成してもらえないこともあるためです。

 このため、まずは病院で診断を受け、後遺障害診断書の作成をお願いしたいことを、主治医の先生に伝えておきましょう。

後遺障害診断書作成中に他の資料を集める

 後遺障害診断書以外の資料は、比較的早期に集められると思います。画像記録が少し時間がかかるかもしれませんが、後遺障害診断書の作成依頼をするタイミングで、各病院にお願いしておけば、そこまで手続が遅れることはないと思います。

 その他の自治体関係の資料や、診断書及び診療報酬明細書などの資料は、後遺障害診断書の作成が終わるまでの間に、予定を見つけて取得しておきましょう。

実際には弁護士に依頼したほうが楽

 被害者請求のための資料収集は、上記のとおり、それなりに面倒です。

 このため、後遺障害の申請を被害者請求で行いたいという場合には、弁護士に依頼してしまうことが楽です。医療関係の情報など、被害者自身に手続を依頼することもありますが、手続の多くを代理可能なためです。

 このときに、弁護士費用特約に加入して入れば、弁護士費用全額が保険から支払われることもあります。特約がある場合には、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士費用特約とはどのようなものか

補足

 以下のページも、よろしければご覧ください。

交通事故

この記事を書いた人

斉藤圭
斉藤圭弁護士・舞鶴法律事務所(山梨県甲府市)
地元山梨で舞鶴法律事務所を営んでいます。
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