目次
解決までの流れ(裁判まで)
事案の説明
交通事故で被害者が死亡した事案について、紹介します。依頼者は、母親を事故で亡くされた30代の女性でした。原付に乗っていた被害者女性が、交差点から道路に進入した車両に衝突された後に、死亡してしまったものです。
依頼者は、母親の過失を主張されるなどして、保険会社担当者との対応にストレスを感じていました。これまで家事を担当していた母親を失った環境変化による精神的負担は大きく、弁護士に依頼することにしました。
【事故発生から3か月】
弁護士介入後
弁護士介入後、まずは弁護士が保険会社の窓口となることにしました。依頼者には、葬儀関係でかかった費用の取りまとめを依頼しました。死亡事故だったため、刑事手続が進んでいたものの、まだ加害者の裁判までには時間がかかるようでした。このため、当面の金銭を求める目的もあり、自賠責保険に請求することとしました。
自賠責保険への請求
自賠責保険に被害者請求を行うため、戸籍謄本や死亡診断書などの各種資料を集め、弁護士が代理して請求手続を行いました。書類の収集に若干の時間がかかったものの、自賠責保険の手続は通常どおり進み、準備から3か月後には、自賠責保険からの支払金が指定口座に振り込まれました。
支払金額は、死亡の場合の自賠責保険限度額である、3,000万円でした。
【事故発生から6か月】
加害者の裁判終了
事故から1年後、加害者の刑事裁判が行われました。加害者は事故を争うこともなく、有罪判決となりました(禁固1年、執行猶予2年)。
裁判手続の終了後、検察庁に対して刑事記録の開示申請を行いました。検察庁で記録開示のためのマスキング処理に多少の時間がかかるため、すぐには開示とはいきません。開示申請をしてから2か月後、刑事記録の写しを取得することができました。
【事故発生から14か月】
訴訟提起へ
刑事記録を取得後、損害賠償請求のため、相手方保険会社と交渉を行いました。相手方保険会社は、被害者の過失を主張し、また損害の算定も低額なものでした。保険会社の主張は、既に支払われていた自賠責保険の3,000万円のほかに、500万円の支払いで示談としたい、というものでした。
損害額の算定としてはあまりに低額であり、主張されている過失割合も相当とは解されませんでした。このため、弁護士と依頼者で協議のうえ、適正な損害賠償額を求めて、裁判所に裁判を起こすことにしました。
【弁護士受任から15か月】
解決までの流れ(裁判提起から事案解決まで)
裁判提起まで
相手方保険会社と協議をするまでに、必要な資料の収集は行っていました。このため、裁判を起こすことに決めてから訴状の内容を詰めて、1か月後には訴訟提起することとなりました。
裁判の進行
裁判は、1か月に1回というペースで進みました。これまでと同様に、加害者側は、被害者の過失を主張していました。また、被害者の家事労働の評価も低額でした。弁護士は、原付を運転していた被害者の過失は大きくないことと、家事労働をきっちりと評価することを求めました。
裁判が4回ほど進行した後に、裁判所から和解案が提示されました。和解案の内容としては、加害者に2,000万円の支払いを求めるものでした。
和解成立まで
裁判所からの和解案の提示後、弁護士と依頼者とで協議を行いました。このまま判決を求める方法もありえましたが、裁判が続くことへの抵抗もあったため、依頼者としては和解を受け入れることにしました。この結果、裁判提起から約6か月後に、和解が成立しました。
和解成立から1か月後には、和解金の支払いがなされました。
【弁護士受任から21か月(和解金の支払いまで)】
費用の清算
保険会社からの和解金の受領後、弁護士費用などの清算を行い、事件としてはすべて終了となりました。
【弁護士受任から22か月(事件の終結まで)】
費用の目安
法律相談費用
原則として無料にて対応
弁護士費用
- 弁護士費用特約がある場合:弁護士費用特約から限度額支払い、依頼者から80万円をいただく
- 弁護士費用特約がない場合:着手金・報酬金や各種実費の合計で約380万円
補足
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