交通事故の「慰謝料」「損害賠償」「示談金」「和解金」の違いは?

交通事故の「慰謝料」「損害賠償」「示談金」「和解金」の違いは?

 交通事故の賠償金を表す際に、「慰謝料」、「損害賠償金」、「示談金」、「和解金」など、いろいろな用語が使用されます。この違いについて、説明します。

交通事故の「慰謝料」「損害賠償」「示談金」「和解金」の違いは?

慰謝料

 「慰謝料」は、損害賠償金の中の1項目です。他の損害項目では、「治療費」、「通院費」、「休業損害」といったものなどがあります。

 ただし、後遺障害がないような多くの交通事故事件では、保険会社から直接病院に支払われる治療費を除くと、慰謝料が損害の大部分を占めることが多いものです。事案によりますが、概算としては60~99%といったところです。

 このため、「慰謝料」という言葉が「賠償金」とほぼ同じ意味で使用されることも、多々あります。

損害賠償金(賠償金)

 「損害賠償金(賠償金)」という用語は、加害者が被害者に負う支払義務の全体のことを指します。慰謝料のみならず、治療費や通院費などの他の損害項目を合算したものです。

 ただし、言葉として物々しいイメージもあるため、好んで使われることは少ないかもしれません。

示談金

 「示談金」という用語は、「損害賠償金」とほぼ同じです。ただし、「損害として合意したもの」という意味を含みます。「賠償金額を被害者側で算定して提示したところ、その内容を基に保険会社側で正式な示談案の回答があった。最終的にはその内容から増額の修正のうえ、示談することとした。」という文例では、「示談金」と「賠償金」の意味は若干異なります。

 また、「示談」という用語は、裁判では使いません。このため、裁判によらない解決のことを指すというニュアンスがあるといえます。示談という言葉には、「おおごとにしない」とか、「表沙汰にしない」という趣旨が含まれているといえます。

和解金

 「和解金」という用語は、「示談金」とほぼ同義です。実際には、「和解」は民法にも記載のある法律用語ですので、「示談」よりも法的には厳密な表現となります。ただし、弁護士や裁判所以外は、あまり使わないように思われます。

 以上のような背景のため、多くの弁護士は、「示談」よりも「和解」という用語を好むと推測します。