弁護士の選び方について

 以前は、弁護士事務所がホームページを設置していることは珍しいものでした。とはいえ、昨今は、弁護士事務所のサイトが増えたこともあり、インターネットで弁護士を探すことが一般的になってきました。事務所のホームページを見れば、業務内容や所属弁護士について詳しく知ることができるということも、珍しくありません。

 ただし、弁護士をどうやって選べばいいか分からない方もいるかと思われます。

 考え方の一例として、弁護士の選び方について説明します。

その業務で実績がある、専門性が高い

 法律トラブルの内容は、交通事故や離婚、相続といった個人的なものから、会社の法律相談など法人に関することなど多岐にわたります。多くの弁護士は様々な業務経験を有しているものです。ただし、専門性が求められる分野については、弁護士によってかなり経験や実績が異なってきます。この実績については、弁護士選びの一つの基準になるといえます。

 実績や専門性については、ホームページの記載で確認したり、面談時に聞いて確認するという方法があります。

 弁護士のスキルは、個人の能力はもちろんですが、経験により裏打ちされることが多いものです。専門性の高い弁護士を選べば、細部まで行き届いた対応をスムーズに行ってもらえる可能性が高いでしょう。

話しやすい、相性がよい

 「今、自分が抱えている問題を、しっかり弁護士に伝えられるかどうか」ということに不安に感じる相談者も多いようです。初めて弁護士に相談する場合なら、なおさらです。

 しかし、そのような状況でも、相談者は弁護士に対して、ご自身の立ち入ったプライベートのことを話していくことになります。話を聞く弁護士としても、相談者の心理的な抵抗が予想されるとしても、問題の全容を把握するために、かなり立ち入った話も聞かなければならないことがあります。そうなると、共に問題を解決していくために、相談者と弁護士のコミュニケーションが大事になります。実績や専門性もさることながら、自分に向き合ってくれて話しやすい、相談しやすい、「相性がいい」と思えるような弁護士を探すとよいでしょう。

 とはいえ、インターネットの情報それだけでは、どうしても人柄や話しやすさまでは知ることはなかなか難しいのが実際です。そのため、検討している弁護士がいるなら、まずは面談で直に話してみるとよいでしょう。

その所轄の裁判所の実務に通じている

 お住まいの地域以外の弁護士事務所にも、依頼はできます。都市部などでは、「全国対応」を掲げている弁護士事務所も多くあります。ただし、例えば自己破産や個人再生などといった裁判所を利用する手続の場合、その地域の裁判所ごとに手続が異なることがあります。

 この地域差はいろいろなものがあります。細かい差もあれば、大きな違いもあります。この差が重要なものになる場合には、選択する手続の判断基準にかかわることもあります。このため、行うべき手続によっては、その地域の裁判所の実務に通じた弁護士に依頼することがいい場合もあります。