横浜市のマンション傾斜問題について

横浜市のマンション傾斜問題

 横浜市のマンションが傾斜したとの問題が、連日報道に上っています。このような報道に接して思うのは、「いつか見たような光景が、また繰り返されている」ということです。

 このような建築に関する問題が生じると、何重にも連なる元請・下請の構造や、末端でのデータ改ざんといったトピックスが明らかになることが多いものです。そして、すぐには全容が明らにされず、住民の不安が大きくなるという事態が生じるものです。

 当事者である住民の方は不安でしょう。しかし、利害関係が同様とは思われず、一枚岩になれないこともあると思われます。

 他方で、傾斜問題に対応するために全棟立替といった選択をするとなれば、当事者が全員一致でなければならないとうのが原則のはずです。そうなると、いわゆる抜本的な解決に至ることは、なかなか困難であるように解されます。

 そして、全ての問題が解決されるまでには、どうしても裁判闘争が避けられないことが多いものです。この手間は相当なものですし、何よりも時間がかかることが予想されます。元請・下請間で誰が最終費用負担者となるのか、賠償の帰趨はどうなるのか、建築問題の法的解決は一般的に難しいものです。そして、今回は、当事者の数が相当であり、その困難さが際立つことが予想されます。

 他方、民事事件で真実に迫りたい考えても、当事者が刑事処罰を受けることをおそれれば、口を閉ざすこともありえます。組織ぐるみの隠ぺいなどは、決して珍しいことではありません。

 そうなると、一般論として、真相はより解明しにくくなります。

 このような事件があると、法制度が予防的に機能できない限界を感じます。制度に魂を入れるのは人であり、人が怠けてしまえば、これは如何ともし難いところです。

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執筆・監修: 弁護士 斉藤 圭

執筆・監修: 弁護士 斉藤 圭

弁護士(登録番号:42442)。所属団体:山梨県弁護士会。地元山梨で舞鶴法律事務所を営んでいます。 実務年数15年で、交通事故事件約500件、債務整理事件約500件(いずれも訴訟対応案件を含む)のほか、離婚問題や相続問題など、いろいろな事件に対応しています。法的なトラブルやお悩みを抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。