民事事件の費用について

民事事件の費用のご説明

民事事件とは、主に相手に金銭の支払いの請求を行う事件です。事件受任の時にいただく「着手金、事件終了時にいただく「報酬金」の他、裁判手続に必要な収入印紙や郵便切手の代金のお支払いを「訴訟費用」としていただいております。他にも、出張や調査などが必要な場合には、ご相談の上、必要かつ相当な金額の費用をいただいております。以下で、より詳しく説明しております。

他の事件に関する費用のご説明は、以下にて行っております(クリックすると別ページに移動します)。

着手金及び報酬金(相手に財物を請求する典型的なケース)

弁護士費用の算定方法

訴訟など、裁判所に対して手続を申し立てる場合には、手続により依頼者が得るべき利益を「経済的利益」とし、下記の表を参考にして費用を算定します(下の表による説明は、金銭請求に関する原則的な算定方法です)。

具体的な金額については協議いたしますので、目安としてご理解ください。

事件の種類 経済的利益の額 着手金 報酬金
金銭請求 300万円以下の場合 経済的利益の8% 経済的利益の16%
300万円を超え、3000万円以下の場合 経済的利益の5%+9万円 経済的利益の10%+18万円
3000万円を超え、3億円以下の場合 経済的利益の3%+69万円 経済的利益の6%+138万円

弁護士費用の下限金額について

経済的利益に関わらず、 着手金及び報酬金には最低金額の目安があります(訴訟を行う場合には、概ね金20万円を着手金の最低金額の目安とする、など)。手続や事件の内容により異なりますので、詳しくはご確認ください。

なお、着手金及び報酬金には、別途消費税が加算されます。

弁護士費用特約について

交通事故事件の場合、「弁護士費用特約」が利用できる場合が多々あります。これは、ご自身で加入されている自動車保険に付帯されている特約で、弁護士費用の支払いが保険金で受けられるものです。

交通事故事件に限定されることが多いですが、このような特約が利用できる場合には、多くの事件では、弁護士費用全額が保険金から支払われます。自動車保険以外にも、火災保険や賃貸契約の際に加入しているケースもあるようです。特に交通事故事件でお悩みの場合には、一度保険の内容を確認することをおすすめします。

詳しくは、「弁護士費用特約とはどのようなものか」をご確認ください(別ウィンドウが開きます)

債務整理

典型的な任意整理の場合

典型的な任意整理手続の場合、処理すべき業者数により、以下の目安により着手金を算定しております。ただし、手続によっては、報酬金を請求することもあります。

例えば、過払金返還請求が可能となった場合には、回収額に応じて報酬金をいただきます。その他の手続費用の詳細については、またご相談ください。

典型的な任意整理の場合の、着手金の計算方法の一例

165,000円を下限の目安として、業者数×44,000円により算定した金額も参照のうえ、具体的な費用を決めます(消費税込)(単純な任意整理の場合)。

ただし、事案により変動することがあります。なお、「減額報酬」や「管理手数料」といった名目での費用を求めることは、原則としてありません。

過払金返還請求事件の場合

回収額の約20%とします。通常は、実際に回収がなされた際に、弁護士費用を清算した残額を返還する方式にて、費用を清算しております。

再生手続や破産手続の場合

債権者数や手続の難易度により、費用は異なります。詳しくは法律相談の際などにご確認ください。なお、自己破産手続で35万円~、個人再生手続で45万円~といった金額が目安となることが多いところです。裁判所に申請するための実費(約2万円~)や管財人費用や再生委員の費用が発生した場合には、ご負担をお願いしています。他方で、それ以外に「管理手数料」といった名目の費用を求めることは、原則としてありません。

なお、甲府地方裁判所では、自己破産手続の管財人費用として、個人の場合は20~30万円、個人の自営業者で50万円~、法人の場合で概ね50万円~といった設定がなされています。このような金額を、申立人の代理人費用を決定する際の参考としております。

調停事件等の場合

民事調停事件及び示談交渉事件

「相手に財物を請求する典型的なケース」の算定方法に準じて、費用を決定します。すなわち、相手方からの取得金額を「経済的利益」とし、この金額に割合を掛けて、弁護士費用を算定します。

ただし、予想される事務量により、金額は変動しますので、相談の際などにご確認ください。

離婚等事件

調停事件では、着手金及び報酬金ともに、20万円~50万円を目安とします。

訴訟事件の場合は、着手金及び報酬金ともに、30万円~60万円を目安とします。

財産分与及び慰謝料請求が付随する場合、 取得金額を経済的利益として、「相手に財物を請求する典型的なケース」の算定方法も参照して費用を決定します。

郵便切手代及び収入印紙代

相手方に連絡を取る場合の郵送代金や、裁判所の手続を利用する際に必要となる収入印紙代金についても、原則として、依頼者の方にご負担をお願いしています。訴訟費用は、手続や請求金額等より必要金額が異なります。下に例を示します(甲府地方裁判所及び甲府家裁裁判所の場合)。ただし、詳しくは個別の事件ごとにお尋ねください(裁判所の運用変更や消費税率の変更に伴い、費用は増加することがあります)。

例1:100万円の貸金請求を行うため、裁判を起こしたい→収入印紙10,000円+予納郵便切手代金6,000円

例2:子ども1人の養育費を請求したい→収入印紙1,200円+予納郵便切手代金690円

日当及び交通費

事件によっては、他県の裁判所や不動産所在地などへの出張が必要なケースがあります。その際には、出張のために必要な時間や手間を考慮して、日当や交通費をいただくことがあります。

例:山梨県外に出頭する場合→半日の出張の場合、金30,000円(消費税別)および交通費の実費

その他の費用

示談交渉や裁判手続を進める上で、他の専門職方に協力を要請することがあります。例えば、医療関係訴訟で専門医の意見書の作成依頼をする場合があります。他にも、不動産の測量を土地家屋調査士の方に依頼したり、不動産価格を調査するために、不動産鑑定士の方に鑑定依頼をする場合があります。このような手続で特別に費用が必要となる場合には、原則として実費全額の支払いをお願いしています。

おわりに

実際の費用の算定においては、事件ごとの事情を勘案します。事件受任時に、当然発生する費用や、もしかしたら発生する可能性のある費用のことなど、把握できる限りの説明を行っておりますので、疑問点があればご質問ください。なお、分割払いなどのご希望もお受けできます。ご相談ください。