法律上の「親族」とは?

法律上の「親族」とは?

 「親族」という言葉は、一般的には、家族や親戚を示す用語として用いられます。ただし、法律用語として用いられる「親族」という言葉は、より厳密に定義されています。

 この法律用語の『親族』の意味について、舞鶴法律事務所(山梨県甲府市所在)の弁護士が解説します。

法律上・民法上の『親族』とは?

 法律用語の「親族」は、6親等内の血族と配偶者、および3親等内の姻族を指します。下図で血族は茶色で、姻族は青で表現しています。

法律上の親族の定義の解説
親族の図解

血族は6親等内が親族

 血族(けつぞく)とは、要するに、血縁関係にある人のことを指します。ただし、生物学的に血縁関係がある場合(自然的血族)でなくとも、養親子関係にある者(法定血族)も含みます。

 法律上は、本人の血族6親等までが親族です。

 「親等」のカウントは、本人ないし配偶者を0として始めます。たとえば、子どもや親は1親等です。血縁のあるところを上下に数える方法を取るため、いとこは、親(父母)1→祖父母2→おじ・おば3→いとこ4と数えて、4親等となります。「兄弟間を真横に飛ばして1親等」とするような数え方はしません。

姻族は3親等内が親族

 姻族(いんぞく)とは、配偶者の血族のことを指します(上の図の、配偶者の両親など)。また、本人の血族の配偶者のことも指します(上の図の、本人の兄弟姉妹の配偶者など)。「婚姻」によってつながる人々といえます。

 法律上は、3親等までが親族です。

 本人の配偶者の親(一般的に義父、義母)は1親等です。配偶者のおじ、おばは3親等となります。また、本人のおじ、おばの配偶者は3親等の姻族であるため、親族となります。他方で、本人のいとこは4親等の血族として親族となる一方で、その配偶者は4親等の姻族であるため、親族には含まれません。

親族が重要となる法律上の場面

 親族関係が重要となる法律上の場面には以下のようなものが考えられます。

  1. 相続事案:遺産の取得分を決めるうえでは、相続人及び相続分の確定が必須となります。
  2. 交通事故の死亡事案:亡くなられた被害者の損害賠償請求権は、相続人により行使されることになります。