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相続等に関する裁判例

はじめに

 平成27年ころ以降の、相続等に関する裁判例のうち、重要と解されるものを紹介します。

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相続等に関する裁判例

事件情報 争点及び判断 考慮要素 特記事項
東京地裁H28.3.25判決(H27(ワ)15323号)

【遺言】ページのつなぎ目の契印のみで有効な遺言といえるか

→有効と認めた

契印は遺言書の一体性を示すとともに、遺言書の完成を明らかにする意義も有する

裁判所の検認時に、印影のあった封筒の封は綴じられていなかった、

*リンク先では、他の遺言に関する裁判例も紹介しています

東京地裁H28.2.26判決(H26(ワ)25079号)

【遺留分】遺留分減殺請求権行使の消滅時効期間の起算点

→関連する相続関係の裁判の判決時点では遺留権利行使は可能であり、同時に消滅時効の起算点となる

関連する訴訟中の主張には遺留分減殺請求権行使の意思表示は含まれない、

遺留分減殺請求権の消滅時効成立

同じ当事者間で何度も同趣旨の裁判が行われていた、

*リンク先では、他の遺留分に関する裁判例も紹介しています

最高裁H28.12.19決定(H27(許)11号)

【遺産分割】普通預金、通常貯金及び定期貯金債権が、遺産分割の対象となるか

遺産分割の対象となる

預貯金の現金類似性を重視したと解される

柔軟な遺産分割調停を可能にする、極めて重要な判断、

最高裁の枠組みによると、請求者は原審までと比較して約2,000万円有利

大阪高裁H27.10.6決定(H27(ラ)908号)

【寄与分】寄与分の認定額

→長男に農地評価額の30%で寄与分を認定

長男の農業の手伝いを重視、

長男の被相続人に対する生活費援助の主張は採用されず

抗告人(二男)にとって高裁決定の方が約220万円有利
大阪家裁H28.1.22審判(H27(家)758号)

【祭祀】遺骨を誰が取得するべきか

→相続人ではない、内縁者とも解される親密な者に遺骨取得を認めた

遺骨取得が認められた者は、葬儀費用を負担し、現に遺骨の管理もしていた、

葬儀の対応につき、相続人から異議はなかった

民法897条2項の準用により結論を導いた
東京高裁H27.2.9決定(H26(ラ)2394号)

【相続放棄】相続放棄の有効性

→相続放棄は無効である

本人の判断能力は8歳程度(医師の意見書)、

生活状況からすると、相続放棄する理由がない、

申述書の内容が、生活実態からかい離している

親族から相続放棄の働きかけがあったであろう事情を認定している
最高裁第三小法廷H29.1.31判決(H28(受)1255号)

【養子縁組】節税目的の養子縁組の有効性

→節税目的というだけでは無効にならない、本件縁組は有効

節税目的と養子縁組の縁組意思とは併存し得る

節税養子の有効性に関する初めての最高裁の判断、

縁組の無効を主張する側が「縁組意思がないこと」を立証すべきという判断と解される

最高裁第一小法廷H29.4.6判決(H28(受)579号)

【遺産分割】定期預金及び定期積金が遺産分割の対象となるか

遺産分割の対象となる

最高裁H28.12.19大法廷決定に連なる判断である

原則として預貯金は遺産分割の対象と考えるべき

福岡高裁宮崎支部H28.5.26決定(H27(ラ)101号)

【遺産分割】【証拠収集】

相続税申告書は文書提出命令で開示がなされるか

→開示を認めなかった

開示により申告税制度の信頼を損なうとして、民事訴訟法220条4号ロへの該当性を認めた

相続税申告書が遺産分割手続に有用な資料であることは認めている

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