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離婚等に関する裁判例

はじめに

 平成27年ころ以降の、離婚等に関する裁判例のうち、重要と解されるものを紹介します。

 なお、判決日などの情報部分をクリックすると、より詳しい解説ページに進みます(それぞれ別ウィンドウが開きます)。

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離婚をお考えの方へ

離婚請求等に関する裁判例一覧

事件情報 争点及び判断 考慮要素 特記事項
東京高裁H28.5.25判決(H27(ネ)1064号)

もっぱら4年10月の別居期間のみを原因として、離婚請求が認められるか

→離婚成立を認めた

同居期間9年、別居期間4年10月 「別居期間の長さはそれ自体として婚姻関係の破たんを基礎づける」との説示
東京地裁H28.7.13判決(H27(レ)1025号)

婚姻予約破棄及び内縁解消に関する慰謝料請求

→請求棄却

同居9年3月と長期だが、別居2年1月とこちらも長期、別居後の内縁解消につき、不法行為に該当しない、

別居中に同居に向けた話し合いの形跡なし

男性から女性に対する請求、

そもそもの「内縁関係」の薄さを指摘している

水戸家裁H28.12.16判決(H28(家ホ)第10号)

偽装結婚相手の韓国女性に対する婚姻無効確認請求

→国際裁判管轄を認め、請求認容

被告女性が裁判に応じていた(請求原因も認めていた)、

偽装結婚は日本国内で行われていた、

偽装結婚につき、男女に日本で有罪判決確定

偽装結婚目的より、婚姻意思を否定

婚姻費用及び養育費に関する裁判例一覧

事件情報 争点及び判断 考慮要素 特記事項
東京家裁H27.8.13審判(H27(家)2612号)

婚姻費用の考慮要素

→住宅ローンを考慮、大学生の成人長男を未成熟子と扱う、長男の学費を考慮しない

住宅ローンは一部婚姻費用に参入、

奨学金やアルバイトで学費の支払いは不可能ではない

「住宅ローン全額を婚姻費用から控除するのは、生活保持義務より資産形成を優先させる結果となるため相当でない」との説示
大阪高裁H28.3.17決定(H28(ラ)38号)

不貞した配偶者に対する婚姻費用支払い義務

→養育費相当額の限度で支払い義務を認容

信義則あるいは権利濫用の見地から、婚姻費用を養育費相当額とすべき SNSのやり取りなどから妻の不貞を認定
最高裁H29.1.31決定(H28(許)39号)

将来養育費による仮差押えの可否

→高裁の判断を是認する形式で仮差押えを認めず

【具体的な判断過程は示されず】

未払いの養育費があり、公正証書での本差押えが可能だった、

差押予定の不動産は無剰余の可能性があった

東京高裁H28.9.14決定(H28(ラ)947号)

算定表の上限を超える所得者(約4,000万円)の婚姻費用算定

→数値算定の原則論に戻って月20万円と認定した

基礎収入の算定に、税金、社会保険料、職業費、特別経費及び貯蓄分を考慮

基礎収入率は約25.8%となった

大阪高裁H28.10.13決定(H28(ラ)767号)

養育費の相当額についての判断

→子どもの私立高校進学、入寮、支払義務者の再婚及び養子縁組の事情を考慮して、月額48,000円などとした

子どもが私立高校進学も、入寮により食費や光熱費などは低減することを考慮

原審判断は、月額97,000円などとしていた、ただし、原審時点では支払義務者は再婚していなかった

東京高裁H28.7.8決定(H28(ラ)748号)

養育費減額請求に対する判断

→支払義務者の再婚、養育費権利者の再婚などを考慮して、月額59,000円などとした(従前は75,000円)

支払義務者が再婚(減額事由)、

養育費権利者が再婚(減額事由)、

当事者間作成の公正証書は算定表産出額よりも高額(増額事由)

養育費権利者の再婚相手は、子どもを養子縁組していなかったが、裁判所は再婚を養育費の減額事由とした

2回目の減額請求、1回目時点では支払義務者は再婚しておらず、減額請求も却下された

面会交流及び親権に関する裁判例

事件情報 争点及び判断 考慮要素 特記事項
東京高裁H28.4.26決定(H27(ラ)2291号)

面会交流の実施方法

→月1回2時間から徐々に4時間、6時間と時間を延ばし、当初は母親の立ち合いを認めるなど、段階的な方法を採用

子どもの負担にならない方法の採用、

家裁調査官の再度の調査は不要

父子の7年間交流がなかったことによる距離感は、面会交流の中で解消するべきという基本的なスタンス
大阪高裁H28.8.31決定(H28(ラ)419号)

面会交流の実施の可否(実母から親権者父に対する請求)

→未成年の子が新たな母親と養子縁組している事情はあるが、面会交流の実施を認めた

実母との面会交流を認めることが、子どもの福祉に資することである

面会交流による子どもへの悪影響は、交流の中で解消すべきとした

実母は中国籍であり、面会交流のたびに来日することになる 

東京高裁H28.5.17決定(H28(ラ)495号)

面会交流の申立に対する判断

監護親(妻)から非監護親(夫)に対する請求につき、これを却下した原審の判断を取り消して差し戻した

面会交流は子どもの健全な成長と発達にとって非常に重要、

夫婦間にトラブルはあるが、どちらも面会交流自体には前向き

相手方夫は、調停時点で裁判所に出頭せず

東京家裁H28.6.29審判(H28(家ロ)5148号)

親権の停止の仮処分が認められる

→請求認容

親権者につき、疾患で入院している子供に対する以下の言動などを考慮した

  1. 見舞いの回数が少ない
  2. おむつの補充などに迅速に対応しない
  3. 医師との面談をキャンセルしたことがある
  4. 「共働きで平日の見舞いが困難」と述べる

児童相談所による申立て事案である、

審判では、親権者は子どもの治療に協力すると述べていた

東京高裁H29.2.24判決(H28(う)1719号)

DV防止法10条の「はいかい」の該当性(刑事事件)

→具体的事案にあてはめ、「はいかい」に該当しないため、無罪

被告人の行動は、「はいかい」の字義に合致しない、

手紙を渡すことにかこつけて、子どもに面会しようとした事情はない、

学校敷地内の滞在が約8分間であるなど、穏やかな行為だった

地裁の判断では有罪(懲役4月、執行猶予2年

最高裁H25.3.28決定(H24(許)48号)

面会交流を定めた審判書による強制執行(間接強制)の可否

→給付の内容が特定されている場合には、間接強制も可能

→監護親に、面会交流の不履行1回につき金5万円の支払義務を認めた高裁の決定を維持

面会交流につき、以下の内容に関する審判書の特定が充分であれば、間接強制は認められうる

  1. 日時または頻度
  2. 各回の面会交流時間の長さ
  3. 子の引き渡しの方法など

本決定時、子どもの年齢は7歳だった、

同日の決定で、特定が不足していると判断された他の事案につき、間接強制を認めなかった

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